健康診断といっても体の、ではなく「会社の」です。
少子高齢化や都市への一極集中が進む中、地域経済振興の要として地域企業に注目が集まっています。会社が元気であれば、雇用が創出され、地域全体が元気になります。会社を盛り上げ、不調は早めに見つけましょう、という考えから企業の健康診断ツール「ローカルベンチマーク(通称:ロカベン)」なるものが策定されました。
ローカルベンチマークは、金融機関が会社を評価する際に会社の将来性や可能性に基づき評価する「事業性評価」においても注目されています。
<ローカルベンチマークの内容>
会社の健康診断ってどんなことをするのでしょうか。
中小企業庁が発表したローカルベンチマークはA4で4ページからなり「財務情報」と「非財務情報」から構成されています。
①財務情報
財務情報は、過去の決算書の数値から導き出せる6つの指標を用いて会社の過去の姿を表します。健康診断になぞらえるなら、血液検査などの数値で表される部分でしょうか。
6つの指標 ① 売上増加率・・・売上持続性 ② 営業利益率・・・収益性 ③ 労働生産性・・・生産性 ④ EBITDA有利子負債倍率・・・健全性 ⑤ 営業運転資本回転期間・・・効率性 ⑥ 自己資本比率・・・安全性 |
業種基準値と比較してA~Dの四段階で評価されるとともに、レーダーチャートであらわされるため自社の強み、弱みが確認でき、過去3年間の推移を一目で確認できるようになっています。
②非財務情報
非財務情報は、会社の過去から現在までの姿を映し、将来の可能性を表します。企業の現状、強み、課題を整理し「見える化」をはかります。
これも健康診断になぞらえるなら、問診から処方箋といったところでしょうか。
まず仕事の流れを把握し、その中で他社との差別化ポイント、強みを書き出します。
そして①経営者、②事業、③企業を取り巻く環境・関係者、④内部管理体制という四つの視点から企業の課題と対応策を検討する構成になっています。
「商流、業務フローの把握」
「課題と対応策」
★どう使う?「ローカルベンチマーク」
健康診断を毎年うけている方が多いと思いますが、その後はどうしていますか?
そこから問題が見つかって再検査、なんてことは避けたいですが、特に問題ないようなら診断書をもらってそのままですか?去年の数値と比較しますか?アドバイスにそって運動してみようかな、塩分ひかえようかな、などなにかしら思うことはありますね。
会社の健康診断も同じで、一度きりではなく定期的にやってみましょう。
ローカルベンチマークの形式は、会社の経営者、金融機関、支援機関がそれぞれの立場から使いやすいように考えられています。そのキーワードは「対話」です。
特に非財務情報は「対話」がなければ作成できません。
経営者の頭の中にある会社の強みや問題点を整理する過程においては、社内での対話はかかせません。経営者自身の気づきもありますし、強みや問題点を整理することで、金融機関、支援機関といった第三者の視点からのアドバイスも受けやすくなるでしょう。
結果に一喜一憂するのではなく「対話」を通じて自社の課題、問題点を把握、共有し、継続的な「対話」を続けることで解決につなげ、会社の永続的な繁栄をはかることがローカルベンチマークの真の活用法といえるのではないでしょうか。
毎年健康診断を受けて病気の早期発見に努め元気で長生きしよう!というのと同じですね。
またローカルベンチマークによる「気づき」から「早期経営改善計画」を活用して具体的な計画を一緒に考えてみませんか。
自社の健康状態、気になりますね。
弊社で来たる11月16日に行います「みなと元町セミナー2017」では、会計活用の極意をお伝えするとともにご希望の方には、「ローカルベンチマーク」(財務情報)をお渡しいたします。また早期経営改善計画の策定支援も行っております。ご興味をもたれましたらぜひお問い合わせくださいませ。
参考URL 経済産業省 ローカルベンチマーク(通称ロカベン)
http://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/